« 2011年6月 | トップページ | 2011年8月 »

2011年7月

チェックメイトされるアメリカ

 既に報道されているように、オバマ政権は、連邦政府の債務上限を8月2日までに引き上げなければ、政府がデフォルト(債務不履行)状態に陥る恐れがあるとして、債務上限引き上げの容認を議会に求めている。だが共和党は強硬に反対し、引き上げ幅と同程度の大規模な歳出削減を行わない限り、提案には応じないと主張している。
 

 米国債は、すべての金融商品の頂点に立つ存在である。米国債が元利の返済が滞ってデフォルト(債務不履行)すると、たとえ数日間であっても、すべての債券が急落(金利が高騰)し、米国経済は不況に逆戻りする。ドルは下落して基軸通貨の地位喪失に近づき、その反動として金地金などのコモディティ相場が高騰し、金融機関の相次ぐ破綻がおきる。
すでに連邦航空局など政府機関のいくつかは、財政破綻した場合に備え、要員解雇の検討などを始めているという。
 

 昨秋の選挙で米議会下院に大量当選してきた共和党の新興勢力である茶会派(Tea Party movement)は、長期的な財政赤字削減に向けたショック療法として、あえて米国債のデフォルトを誘発した方が良いと考えている。
古参の下院議員ロン・ポールは「米国はすでに事実上、財政破綻しているのだから、早く破産宣告した方が先々のために良い」と言っているが、これが共和党多数派の本音を表しているので、その場しのぎの妥協案がまとまっても、中期的にはかなり危険な状態になっているといえる。
 

 このような状況は必然的に起った事とはいえ、最近になって出てきた自然発生的な問題なのだろうか。あるいは誰かが書いたシナリオ通りに進んでいることなのか。それを知るための手掛かりになるかもしれない声明がある。
デイヴィッド・ロックフェラーは、1990年4月22日にワシントンで聞かれた三極委員会(TC)の会合で起草された「三極委員会報告書」の序文で次のように述べている。

 
 

 「 執筆者たちは、世界がいま経済的相互依存を超えて環境的相互依存へ、つまり両者の相互調和へと移行しつつあることを明らかにしている。ジム・マクニール(報告書執筆者)はリオヘの道すがら、わたしに助言を行なった。リオはこれまで開催された会議のなかで最大のサミット会議となるだろう。この会議は、世界共同体に安全かつ持続的な未来を保証するために、国家的および国際的な経済課題に必要とされる基本的変化と、わが国の統治体機関に必要とされる基本的変化とを産みだす政治的資格をもつことになるだろう。2012年までに、こうした変化がわれわれの経済的・政治的生活に完全に溶けこまなければならない。」( ユースタス・マリンズ「世界権力構造の秘密」より )

 
 

世界共同体というのは、新しい世界秩序での世界政府のことである。これを2012年までに創り、この秩序に従う者たちには安全と持続的な未来を保証するということである。
また、世界政府の邪魔になる要因を経済面、地球環境面で取り払うために、国家は変化してもらわなければならないというわけである。例えば、役目を終えた超大国は、既に経済発展は限界に達しているので投資価値も失っていて、他の新興国や途上国の発展の障害になりかねない。
 

それでは、具体的に世界政府はどういう形になるかというと、影響力を失ったG7(G8)に替わるG20を、BRICsを中心に強化発展させたものになるだろう。IMFが財務省に相当することになるかもしれない。現時点ではこのシナリオ通りに進んでいるように見えるが、もしそうだとすれば、アメリカは意図的に排除されようとしていることになる。2012年まで残すところあと5ヶ月を切ってしまった。

 

 

燕返し2011

 
  

Img_0104e

 
今年も燕が飛び交う時期になったので、飛ぶ姿を撮らせてもらった。
始めて3年目になるが、難しさはまったく変わらない。
3年目といっても年に1日か2日しか撮影しないので、ただ単にいくらか目が慣れてきた程度である。
              

Img_0022e

 

Img_0158e

 

Img_0025e 

 
ファインダーで捕捉する事に集中するとピント合わせが間に合わず、合焦に気を取られると視界から消えてしまう、といった具合だった。
そこで、今回はマニュアルフォーカスにして置きピンも試してみた。
通過点を予測できる場合に限り有効だったようだ。
 

Img_0121e

 

Img_0003_edited1

 

Img_0103e

 
しかし、燕の飛行パターンは、急降下、急上昇、急旋回と急変して、直線的に飛ぶのはせいぜい1~2秒しかない。
その間にシャッターを切らないとファインダーから消えてしまう。
ロックオンして動きに追尾し、「燕返し」のように切り取ればいいのかもしれない。
修行は始まったばかりでまだまだ続きそうである。
 

Img_0008e

 

 

日本は脱原発へ向かうのか

 

 米政界では第二次大戦後、軍産複合体の力が強くなったので、原子力発電のシステムは、軍産複合体が無数に作り続けた核兵器の製造工程が発電にも使えるという「核の平和利用」の象徴として生まれた。発電を口実として原発を動かし続けることで、核兵器の原料となるプルトニウムを作れるし、核兵器の製造工程として必須なウラン濃縮の技術も維持発展できる。ソ連を恒久的な敵として冷戦構造を確立し、核兵器の大量生産を開始した米国では、各地に原発が建設された。

ところが79年に起きたスリーマイル島原発事故を機に、米国内で反原発運動の盛り上がりが誘発され、それ以来、今に至るまで米国では原発の新規着工がほとんど行われず、軍産複合体の一部門だった原発産業は仕事を失った。代替策として考案されたのが、日本や西欧など対米従属の同盟諸国に米国の技術での原発増設を加速させ、原発産業が米国で儲からなくなった分を同盟諸国での商売で取り戻す策だった。戦後からアメリカの属国である日本では、米国からの依頼(命令)であれば、活断層などあらゆる危険性を軽視して原発が増設された。対米従属の国是を推進する右派が原発を強く推進する構図ができた。

 米国の原発産業の2大企業は、ゼネラル・エレクトリック(GEエナジー)とウェスティングハウス(WH)だが、いずれも2006-07年に日本企業に事実上身売りされている。WHは06年に東芝に売却された。GEエナジーは07年に日立との企業連合体(GE日立ニュークリア・エナジー)に変身した。このように米国では30年以上前から原発が新規に作られなくなり、ついに原発メーカーまでもがなくなったことから、安全性の面でも将来性を失った発電システムとみなされていていたことがうかがえる。

今回の福島第一原発事故の発生によってそれが浮き彫りになってしまったことから、米国政府は日本だけでは事故処理ができないと速やかに判断したと思われる。そこで、3月17日から、IAEA(国際原子力機関)のNo.3の高官を首相官邸に常駐させている。
 このデイヴィッド・ウォーラーが、3月17日からずっと、首相官邸に潜んでいて、菅直人首相や、枝野幸男官房長官その他の大臣たちに、直接、命令と指図を与えて、福島第一原発の事故と放射能漏れの処理と対応に当たっている。 これを官邸の内部では、「日米連携チームの会議」と呼んでいるが、実はIAEAによる日本直接管理である。

 

David Waller
IAEA Deputy Director General and Head of the Department of Management

 

 菅首相の事故対応や原発政策に一貫性がなく、突然思いついたように考えを変えたり指示を出すのはこのような背景があるためである。裸の王様のような首相の後ろで、最高司令官が指図しているらしい。退陣時期を明言せずに強気で延命を模索できる理由がここにあるということになる。彼はアメリカ政府の覆面高官でもあるから、ホワイトハウスの指示も受けている。脱原発宣言もその意向を反映している可能性がある。

 西村肇東大名誉教授によると、「原発の大事故があったら現場に、一人の有能な専門家を 派遣して、その人物にすべてを判断する権限を与えそしてすべてを任せる。それと事故を起こした原子炉の実際の者たちである技師たちがそこにいなければいけない。そうでないと誰にも何も分からない」そうだから、これがそのまま実行されていることになる。
原発事故によって、我が国は再び占領されてしまったかのようだ。

 

 

惑星バルカンとアルカイダ

18世紀ウィリアム・ハーシェルによって天王星が発見された。その後天王星はガリレオらによって17世紀にも惑星と気づかず観測されていたことがわかり、その軌道が正確に分かった。
 19世紀になり、天王星はその外側に未知の新惑星を仮定しないと運動のズレを説明できなくなり、フランスのルヴェリエとイギリスのアダムズによって新惑星の位置が計算された。これが海王星の発見につながったのである。

 このようにしてルヴェリエの名声は高まったのだが、彼は水星の近日点が惑星の摂動以上にズレることにも気づき、水星の内側にも未発見の惑星が存在すると考えるようになった。
この未知の惑星に「バルカン」と名前を付けたのである。
 しかし太陽に近いこともあって誰も発見できず、19世紀中には水星の内側には直径50km以上の天体は存在しないことが明らかになったが、水星の軌道変化については説明は誰もできなかった。20世紀になりアインシュタインの相対性理論が近日点の移動を説明して一件落着となった。
 こうしてバルカンは、存在はしなかったが名前と意義だけは残ることになったのである。
 

Img_0675_2

 

前置きが長くなったが、現在、同じように名前だけは世界中に知れわたっているものに、国際テロ組織「アルカイダ」がある。

 トルコ南部の地中海岸の港町アンタルヤは、地中海を航行するクルーザーが多く寄港する観光地である。2005年、この町の港の近くの家で火事が発生し、警察が火事の原因を調べてみると、家の中から750キログラムもの爆弾が見つかった。

 この事件でトルコ当局は、ルアイ・サクラ(Lu'ai Sakra)というシリア人の男を逮捕し、尋問した。するとサクラは、自分はアルカイダの幹部で、アンタルヤに入港するイスラエル人のクルーザーに爆弾を積んだ小船を突っ込ませて爆破テロを行う計画だったと自白した。そればかりでなく、昨年11月にトルコのイスタンブールでイギリス系銀行やユダヤ教の礼拝所が爆破された同時多発テロ事件に関与したほか、911事件にも実行犯たちにパスポートを用意するなど関与したことも明らかにした。

 サクラは「アルカイダで5番目に重要な人物」として報じられたが、彼はトルコの警察当局をもっと驚かせる別の話も明かした。それは、彼がこれまでにアメリカのCIAに2度拘束され、その際、エージェント(情報提供者、攪乱係、敵として働く人など)としてCIAのために働かないかと持ち掛けられて了承し、多額の活動資金ももらっていたという話だった。
 

 この件を報じたトルコの大手紙「ザマン」によると、CIAは2000年にトルコの諜報機関(MIT)に対し、サクラを捕まえてくれと連絡したが、MITも捕まえたサクラに対し、エージェントになるよう要請し、再び自由の身にしてやった。このほかサクラは、母国シリアの諜報機関(ムハバラート)からも、エージェントになれと要請され、アメリカ、トルコ、シリアという3つの国の諜報機関に情報を流す「三重スパイ」として機能していた。

 トルコ警察の担当者は、アルカイダの幹部を尋問するのが初めてだったので面食らったが、当局の内部で情報をすりあわせてみると、アルカイダの幹部がアメリカなどの諜報機関のエージェントでもあるという話は、よくあることだと分かった。

 トルコのテロ専門家はザマン紙に対し、「アルカイダという名前の組織は存在しない。アルカイダとは、テロ戦争を永続できる状況を作ることを目的としてCIAなどの諜報機関が行っている作戦の名前である」
「テロ戦争の目的は、常に低強度の危機が持続している状態を作ることで(アメリカが世界から頼られる)単独覇権体制を維持することにある」と述べている。

確かに911テロ以前にはアルカイダという名前が世に知られることはなかった。
CIAの作戦ファイル名としてのみ存在したからなのだろう。
 

ブッシュ政権後期のコンドリーザ・ライス元国務長官は、2010年10月のロサンゼルス・タイムズのインタビュー記事で述べている。
「911テロを実行した組織? あのアルカイダなるものは実際には存在しないと思う。」

 

 

« 2011年6月 | トップページ | 2011年8月 »

2017年12月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            
無料ブログはココログ