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チェックメイトされるアメリカ

 既に報道されているように、オバマ政権は、連邦政府の債務上限を8月2日までに引き上げなければ、政府がデフォルト(債務不履行)状態に陥る恐れがあるとして、債務上限引き上げの容認を議会に求めている。だが共和党は強硬に反対し、引き上げ幅と同程度の大規模な歳出削減を行わない限り、提案には応じないと主張している。
 

 米国債は、すべての金融商品の頂点に立つ存在である。米国債が元利の返済が滞ってデフォルト(債務不履行)すると、たとえ数日間であっても、すべての債券が急落(金利が高騰)し、米国経済は不況に逆戻りする。ドルは下落して基軸通貨の地位喪失に近づき、その反動として金地金などのコモディティ相場が高騰し、金融機関の相次ぐ破綻がおきる。
すでに連邦航空局など政府機関のいくつかは、財政破綻した場合に備え、要員解雇の検討などを始めているという。
 

 昨秋の選挙で米議会下院に大量当選してきた共和党の新興勢力である茶会派(Tea Party movement)は、長期的な財政赤字削減に向けたショック療法として、あえて米国債のデフォルトを誘発した方が良いと考えている。
古参の下院議員ロン・ポールは「米国はすでに事実上、財政破綻しているのだから、早く破産宣告した方が先々のために良い」と言っているが、これが共和党多数派の本音を表しているので、その場しのぎの妥協案がまとまっても、中期的にはかなり危険な状態になっているといえる。
 

 このような状況は必然的に起った事とはいえ、最近になって出てきた自然発生的な問題なのだろうか。あるいは誰かが書いたシナリオ通りに進んでいることなのか。それを知るための手掛かりになるかもしれない声明がある。
デイヴィッド・ロックフェラーは、1990年4月22日にワシントンで聞かれた三極委員会(TC)の会合で起草された「三極委員会報告書」の序文で次のように述べている。

 
 

 「 執筆者たちは、世界がいま経済的相互依存を超えて環境的相互依存へ、つまり両者の相互調和へと移行しつつあることを明らかにしている。ジム・マクニール(報告書執筆者)はリオヘの道すがら、わたしに助言を行なった。リオはこれまで開催された会議のなかで最大のサミット会議となるだろう。この会議は、世界共同体に安全かつ持続的な未来を保証するために、国家的および国際的な経済課題に必要とされる基本的変化と、わが国の統治体機関に必要とされる基本的変化とを産みだす政治的資格をもつことになるだろう。2012年までに、こうした変化がわれわれの経済的・政治的生活に完全に溶けこまなければならない。」( ユースタス・マリンズ「世界権力構造の秘密」より )

 
 

世界共同体というのは、新しい世界秩序での世界政府のことである。これを2012年までに創り、この秩序に従う者たちには安全と持続的な未来を保証するということである。
また、世界政府の邪魔になる要因を経済面、地球環境面で取り払うために、国家は変化してもらわなければならないというわけである。例えば、役目を終えた超大国は、既に経済発展は限界に達しているので投資価値も失っていて、他の新興国や途上国の発展の障害になりかねない。
 

それでは、具体的に世界政府はどういう形になるかというと、影響力を失ったG7(G8)に替わるG20を、BRICsを中心に強化発展させたものになるだろう。IMFが財務省に相当することになるかもしれない。現時点ではこのシナリオ通りに進んでいるように見えるが、もしそうだとすれば、アメリカは意図的に排除されようとしていることになる。2012年まで残すところあと5ヶ月を切ってしまった。

 

 

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政治・経済」カテゴリの記事

コメント

私はもう経済や通貨のことはサッパリわからないです。なんでこんな状況で円が値上がりしちゃうのかとか、ニュースで聞いているとそんなものかなーとは思うんですけど、実感としては、まったく理解不能です(;o;)

sustenaさん
ドルは今こんな状況で危ないので、とりあえずドルを売って円を買って様子をみようということで円高になっているわけです。
その日本も震災と原発事故でよくないし、ユーロはギリシャ国債危機が悪化している、というわけで金地金などが高騰しているのです。

やはり、米国政府(民主党のオバマ大統領)は強烈な巻き返しで国債上限を引きあげましたね?
お陰で、円高はあっと言う間に円安に・・・・
米国政府の陰の世界企業は簡単にデフォルトされてはミスミス富を失うことになりますので
当座の間は活かしておくのではないですか?
BRICS諸国がもうすこししっかり成長するまでは・・・・・
それにしても日本の政治と政府は頼りにならないです。票の行方と地位に夢中になって・・・

るーちゃん、こんばんは。
とりあえず問題を先送りできただけで解決には程遠い内容でしたね。
いずれ大きなツケが回ってくるのに変わりはないようです。
子供のケンカのような騒ぎを世界に見せたのは、やがて起るべくして起る出来事の予告としての演出に見えなくも無い気がします。
今年はまずひと安心でしょう。

やはり、仰有るとおりドル安が止まらないですね?
ティーパーティ派の数人は取り決めに反して反対に回ったみたいですね?
中国も最大の債権国として牽制をしているようですね・・・立場が益々有利になりそう!!
円高でお隣韓国に化粧品を買いに走る女性のニュースを苦々しく見てました。

るーちゃん、ドル安の流れは決定的で変わらないと思います。
日本に震災と原発事故がなかったら、1ドル50円~60円まで円高になったでしょう。
去年まではそう予測していました。
茶会派は愛国心を装うトロイの木馬に入った国家自滅工作のためのエージェントかもしれません。
シナリオ通りなら、来年は確実にアメリカと中国の経済力が逆転するでしょう。

あしたは記念日ですね。 わたしは40年前のあの事件をよく覚えています。 勝手なヤツラだなと思いました。
ケネディが生きていたら、なにか違っていたのでしょうか。
お金と、電気って、似てますね(笑)

iwamotoさん
ケネディはニクソン側の考えを持っていたので部下に裏切られて暗殺されました。
ケネディが生きていたらどうなっていたか、キッシンジャー本人がファイナンシャル・タイムス紙に語っています。

「もしケネディが1963年に暗殺されなかったら、1964年の大統領選挙に共和党からネルソン・ロックフェラー(ニューヨーク州知事)が立候補し、当時大学教授だったキッシンジャーも入閣する予定になっていた。ケネディが暗殺されたため、1964年の選挙は民主党のジョンソン(ケネディ政権の副大統領)が圧勝し、事前に負けると分かっていたのでロックフェラーは出馬しなかった。」

ケネディが暗殺されなければ、冷戦構造がもっと早く終結し、新興国の台頭も早くから始まっていた可能性があります。

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