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日本は脱原発へ向かうのか

 

 米政界では第二次大戦後、軍産複合体の力が強くなったので、原子力発電のシステムは、軍産複合体が無数に作り続けた核兵器の製造工程が発電にも使えるという「核の平和利用」の象徴として生まれた。発電を口実として原発を動かし続けることで、核兵器の原料となるプルトニウムを作れるし、核兵器の製造工程として必須なウラン濃縮の技術も維持発展できる。ソ連を恒久的な敵として冷戦構造を確立し、核兵器の大量生産を開始した米国では、各地に原発が建設された。

ところが79年に起きたスリーマイル島原発事故を機に、米国内で反原発運動の盛り上がりが誘発され、それ以来、今に至るまで米国では原発の新規着工がほとんど行われず、軍産複合体の一部門だった原発産業は仕事を失った。代替策として考案されたのが、日本や西欧など対米従属の同盟諸国に米国の技術での原発増設を加速させ、原発産業が米国で儲からなくなった分を同盟諸国での商売で取り戻す策だった。戦後からアメリカの属国である日本では、米国からの依頼(命令)であれば、活断層などあらゆる危険性を軽視して原発が増設された。対米従属の国是を推進する右派が原発を強く推進する構図ができた。

 米国の原発産業の2大企業は、ゼネラル・エレクトリック(GEエナジー)とウェスティングハウス(WH)だが、いずれも2006-07年に日本企業に事実上身売りされている。WHは06年に東芝に売却された。GEエナジーは07年に日立との企業連合体(GE日立ニュークリア・エナジー)に変身した。このように米国では30年以上前から原発が新規に作られなくなり、ついに原発メーカーまでもがなくなったことから、安全性の面でも将来性を失った発電システムとみなされていていたことがうかがえる。

今回の福島第一原発事故の発生によってそれが浮き彫りになってしまったことから、米国政府は日本だけでは事故処理ができないと速やかに判断したと思われる。そこで、3月17日から、IAEA(国際原子力機関)のNo.3の高官を首相官邸に常駐させている。
 このデイヴィッド・ウォーラーが、3月17日からずっと、首相官邸に潜んでいて、菅直人首相や、枝野幸男官房長官その他の大臣たちに、直接、命令と指図を与えて、福島第一原発の事故と放射能漏れの処理と対応に当たっている。 これを官邸の内部では、「日米連携チームの会議」と呼んでいるが、実はIAEAによる日本直接管理である。

 

David Waller
IAEA Deputy Director General and Head of the Department of Management

 

 菅首相の事故対応や原発政策に一貫性がなく、突然思いついたように考えを変えたり指示を出すのはこのような背景があるためである。裸の王様のような首相の後ろで、最高司令官が指図しているらしい。退陣時期を明言せずに強気で延命を模索できる理由がここにあるということになる。彼はアメリカ政府の覆面高官でもあるから、ホワイトハウスの指示も受けている。脱原発宣言もその意向を反映している可能性がある。

 西村肇東大名誉教授によると、「原発の大事故があったら現場に、一人の有能な専門家を 派遣して、その人物にすべてを判断する権限を与えそしてすべてを任せる。それと事故を起こした原子炉の実際の者たちである技師たちがそこにいなければいけない。そうでないと誰にも何も分からない」そうだから、これがそのまま実行されていることになる。
原発事故によって、我が国は再び占領されてしまったかのようだ。

 

 

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政治・経済」カテゴリの記事

コメント

電力は、政府と電力会社の言うほどには不足はしていないという指摘が色んな人からされているようです。
揚水発電、企業の自家発電の発電量は最大規模6000万kw/hであり、原発全発電離量4000万kw/hを大きく上回っているそうです。
政府と電力会社が電力不足の恐怖を煽って節電節電と云っている背景にはそんが事情があったのですね?
世界で唯一の原爆被災国である日本で反原発運動が盛んにならないのは奇異なことです!
ドイツではフランスから電力を買ってでも国内から原発を無くそうと決めたのに、この国は何を考えているんだろうと思いますよ。
発電コストも一旦事故が起きて被害が広まればとんでもない額に跳ね上がるというのに、その危険性に何故考えが及ばないのか
不思議です。
福島は最終的には、向こう何十年も人の住めないところになってしまいそうな気がします。
政・官・産業界の悪い結びつきの見本ですね!!

ネタ元は、副島隆彦かな。副島は「英文法の謎を解く」の3部作から読み出して、「完結」であれあれ、先生、文法に関する内容が、ちょっと水増しになってきたなあと感じましたが、この3部作は、毎年読み返して文法チェックしてますから、ぼくにとっては師匠筋です。ついで、「ハリウッド映画で読む世界覇権国アメリカ 上・下」で、アメリカ文化概論の復習をしまして、自分の体験から、うん確かにそうだ。。。ミステリをずっと英語で読んできて頷けること多々。でも、最近は、論証ぬきの絶叫にちかいようなカリスマになっちゃってため息ついてます。
David Waller、まだ官邸にいるんですねえ。まあ、日本人に解決能力ない以上、しょうがないか。スクラップ缶の迷走かと思ってたら、Wallerの迷走だったんですねえ。汚染水を太平洋に捨てたときに、アメリカとだけは了解済みなんたらかんたらで、いや、記憶チガイでしたとあった騒ぎは、Wallerさんのミス命令だったのか。東電や管にそんな度胸があるのかと思ったら、ワーラー元帥だったんですねえ。
副島さんのところで、何度も引用される菊池技師の二時間ちかくのYouTubeは、勉強になりますね。広瀬さんのYoutubeが削除された犯人はやっぱり読売グループというのにも苦笑いです。

るーちゃんさん
電力需要は火力発電を増やして不足分を補えば済むことなので、原発はなくても困らないと思います。
CO2排出量がどうのこうのというのも根拠が出鱈目だったわけですから、火力に何の問題もないんですね。
燃料代が若干高くなりますが、放射能汚染のリスクや補償費と比べたら安いものです。
安全な発電をしながら、徐々に自然エネルギーを開発していくのが常道ですね。
次の総理候補は脱原発を考えているので、いずれその方向に向かうでしょう。

Cakeaterさん
David Wallerの情報についてはその通りです。
副島隆彦氏はリーマンショックを1年前に著書で予測して注目されましたが、3年以上前から予測していた人もいて、そちらの情報がメインです。
完全情報というのはどこにもないので、最後は自分の頭で考えなければなりませんが。
覆面高官のWallerだけがスッカラ菅を辞めさせることができるただ1人ということになりますね。困ったものです。
「英文法の謎を解く」の3部作は途中まで読んで放り出しました。今は息子に渡したので、完読していたら英語力で負けるかも(笑)

池澤夏樹や矢作俊彦らが、無能でもみんなに嫌われてても脱原発に舵を切れるなら居座ってるほうがいいよね、なんて言い出してますねぇ。
「事故を起こした原子炉の実際の設計者たちである技師たちがそこにいなければいけない」というのはその通りだと思うけど、技術導入の際に苦労した日立や東芝の技術者じゃダメなのかなぁ・・・。

sustenaさん
今は原発推進派の建設業者でさえ、事故が収束するまでは沈黙するしかないと言ってる状況です。
事故が長引くほど国民世論も脱原発にシフトしていくでしょう。
だからそれを理由に続けさせる必要はないと思います。
原子炉関連の配管設備などは非常に複雑なので、緊急時には特に、微に入り細を穿つ実際の設計者の方がいいのです。実際に40年前に設計した爺さんたちは東京に常駐しているようです。

おはようございます。
個人的な話ですが、毎日、クルマの中で4〜5時間を過ごしていました。
道中で副島氏の説が出て、延々とこの話をしていたのでした(笑)
揚水発電で有名な津久井湖から流れ出る相模川の脇を走りながら。

iwamotoさん、こんばんは。
副島氏の説は、アメリカの日本に対する動きについての分析に限定すれば優れているので、部分情報としては参考になります。
政権の原発政策があまりにも支離滅裂なので、その原因を探りたいと思いました。

与党的には脱原発はやめて、縮小方向に修正したみたいですね。原発は残す前提だそうですから、
経団連の為なのかもしれません。
最初はアメリカが作った原発ですから口を出すのは仕方ないですが、そのアメリカの機械も
フランスの機械もよく止まるのがじれったいです。
詳しいならそのあたり教えてくれればいいでしょうが、アメリカでも今一つだなという印象です。
東芝とIHIと米ショーとかいう合同で作ったサリーとかいう装置が上手く稼働すればいいなと思います。
IHIの石川島播磨工場は以前に近くにあったのでなじみがあり、公園にロケットエンジンの碑が立ってます。

個人的には地熱発電がいいと思います。温泉宿に反対されそうですが…(^^;

ねねここさん
脱原発は菅首相の個人的な思いつき発言だったということで、現時点では縮小して当面維持する方向は変わっていないようです。
でも次の首相が誰になるかによって修正する可能性もあります。
毎日のように放射能汚染のニュースを見ている国民の世論は、日増しに反原発にシフトしていくので、経団連との乖離が大きくなっていくと思います。
いずれ誰もが高価で危険で使い物にならない電源だったと気づくのは遠くないでしょう。
これくらいショックを受ければ、地熱発電はこれからはもっと見直されると思います。

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