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茅葺き屋根の家2

 
 
 

この地方では茅葺きの屋根は殆どがピラミッド形の寄棟であり、
縄文時代の竪穴式住居を発展させたものである。
縄文遺跡が多く残っていることからも納得できる。
切妻や入母屋は都(みやこ)の高床式倉庫を発展させたもので、
歴史的にはずっと後の時代のものらしい。

道端にあって近寄り易い家屋の周りを一周してみた。
 

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玄関と左側の居間らしきところにガラス戸があり、
この家の唯一の明り取りの場所になっている。
昔は採光や換気のための窓という発想がなかったようだ。

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柱や梁はしっかりしているものの、屋根材のカヤは寿命が尽きて抜け落ちている。
これを修復できないと、雨仕舞が失われ、
雨露をしのぐという最も基本的な機能を果たせなくなってしまう。
  

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土台の下には自然石を置いただけの簡単な基礎だった。
大地震の揺れでずれてしまいそうに見える。

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屋根材のカヤが抜け落ちてなくなってくると、
それを支えているタルキ(垂木)も風雨に晒されて腐食してくる。

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現住家屋を1軒だけ発見した。
江戸時代に村名主だったりした家なら、身分は百姓でも地位が高いので、
庶民とは違って大きな屋敷に住むことになる。
建築資材も立派なものを使い、腕のいい大工が施工する。
そのため耐久性にも優れ、屋根以外はリフォームして普通に生活できるので、
建て替えを迫られる状況にはならない。
ただし、雨仕舞の問題を除いては。

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この場合の選択肢は二つしかない。
屋根を応急処置して使うか、屋根全体を現代式に造り直すかである。
この家では波トタンを被せて手当していた。
多少の見栄えを気にしなければ何ら問題はない。
 

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もう一つの選択肢で、屋根を作り替えた例。
問題は、屋根だけでも最低1千万円以上の費用がかかることである。

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風景」カテゴリの記事

コメント

こんにちは。
茅葺屋根のお家・・・懐かしい記憶が蘇ります。
私、小さい頃は茅葺屋根のお家に住んでいました。
祖父が茅葺屋根の職人さんだったので
何度か現場を見に行った事があります。
そして、家の中には囲炉裏があったり・・・
いろんな思い出を思い出しました。
最初のお写真のこのお家、もう使われていないのですか?
トタンにしてあるお家には住まれているのですよね。

こんにちは
頭にいつまで入ってるか、、、という問題は別にしてもらうと、、、
かなり、このログ、興味深くて、勉強になりました。
竪穴式、、、高床式の歴史を絡めた部分
面白いなぁって思ったです。
それから
現住家屋のトタンで応急処置されてる家、、、
頑張って、住み続けて下さいって、応援したくなります。
そして、、、現代風の屋根に替えた家
最低でも1000マンですか、、、むむむ、、、
それはそれで、相当の「頑張り」が必要と、、、
ある面、、感嘆、、、(滝汗)

Lucianさん、こんばんは。
こういう家がまだ残っているんですね。
私が一関に行くとき通る284号線沿いに、一枚目のような家がだいぶ前に有りました。
その家の前方に新しい家が建って、古い家は取り壊されるかと思いきや、そのまま
崩れるに任せて放置となり、最近見た時は、屋根が真ん中から崩れ落ちてもはや家の形態はなくなりました。
その場所を通ると、どうなったかなと気になっていつも見てしまいます。

茅葺でまだ住んでいるのが、お金持ちの家だと言うのが興味深いです。
そうですよね、ちゃんとした普請だったら当然長持ちですよね。
北上市の民俗村には、竪穴式住居からついこの間までの家がたくさん移転されてあります。
面白いですから、いつか是非ご覧になってください。

いちごさん、こんばんは。
私が小さい頃、隣の家も茅葺き屋根でした。
妹と同年の娘さんが住んでいて、広島県の因島に嫁いで行きました。
瀬戸の花嫁になったわけです。

ノスタルジーを感じる物件なので、あえてモノクロにしてみました。
写真から色情報が欠けると、無意識のうちに記憶の中から探し出して補おうとします。
それが昔の記憶を刺激して回想をうながすようです。
だから懐かしいものを見つけたら、たまにはモノクロにしてみてください。
感慨が深まるかもしれません。

亀三郎さん、こんばんは。
復元した竪穴式住居を見ると、この茅葺きの原型がうかがえます。
1万年以上のノウハウの積み重ねがあるとすれば、
ひとつの完成された技術ですね。
防水・透湿・保温が理想的な状態で実現しています。
この現住家屋はつい最近見つけたものです。
山々の麓をしらみつぶしにローラー作戦で探せばまだあるかもしれません(笑)
大抵は遺棄するか倉庫がわりになっていたのでかなり貴重ですね。

esikoさん、こんばんは。
崩れるに任せて放置となり廃墟と化している家もたまに見かけます。
凄まじい外観なので写真的には面白いのですが、
コンセプトを考える必要があります。
放置する理由は、土地の再利用の必要に迫られないのと、
解体費用の負担があるからだと思いますが、
一番の理由は、更地よりも建物がある方が固定資産税が安いからでしょうね。
北上市の民俗村には、入口まで行ったことがありますが、
他の用事で行ったので時間がなくてまだ観ていません。
次のチャンスを待ちます。

家とは屋根である、といったところでしょうか。
このような寄せ棟の家屋を竪穴式の発展形というのは建築史学でも言いますね。
1枚目の家屋の説明ですが、
「玄関と左側の居間らしきところにガラス戸があり、
この家の唯一の明り取りの場所になっている。
昔は採光や換気のための窓という発想がなかったようだ。」
明り取りであるならば、採光ではないのでしょうか、ここの意味が分かりませんでした。

ブラックアンドホワイトなのか後から脱色したのか分かりませんが、
この方法は撮影者の意図が強烈に現れるところだと思われます。
自分を出さないで撮ることは難しいのではないでしょうか。

オートマティック撮影でも、そのように感じます。
カメラを紐で吊るして、連写掛けても。 ネコの首にカメラをぶら下げて1分おきに自動撮影しても(笑)

iwamotoさん、こんばんは。
この家屋のガラス戸は開口部ですが、人や物の出入り口であって窓ではありません。
窓の機能としての採光はないという意味です。
私は後で脱色するという手法を使ったことがなく、始めから白黒で撮りました。
季節の影響もあって彩度が低く、カラーも白黒もあまり差がないように感じられたのに加えて、
色があまり美しくないのでモノクロにしました。
保護されている文化財だったら色付きにしたかもしれません。
「自分を出さないで撮る」というのは心構えとしての指向を意味し、
アートよりもドキュメンタリーのテイストを好む嗜好の問題です。
額面通りの厳密な意味ではありませんでした。

脱色をモノクロームと言う人がいますが、あれは違いますよね。
根本的に違うものです。

iwamotoさん
後出しジャンケンでモノクロにするのも表現の自由ですが、
白黒で撮ろうとするときには、気持ちが色を考えずに形と階調だけを視るモードになります。
「脳内ファインダー」には白黒で見えるのです。

茅葺きはメンテナンスがたいへんですよね・・・。先日二川幸夫さんの民家の写真を見て、美しさに驚嘆しましたが、文化財に指定しないともう生き残れないかもしれないとちょっとため息です。

sustenaさん
人手、日数、コストの問題で消えゆくのは時代の流れで仕方がないですね。
文化財でも保存されていれば、将来、良さを見直して復活の機会が来るかもしれません。
たとえば、劣化しない人工素材で代用するとイノベーションになる可能性があります。

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