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2015年10月

紅葉は植物にとってどんな意味があるのか?


 
 
紅葉の仕組みは解明されていても、その植物にとっての意義はよく分からないともいわれることがある。
しかし、もしメカニズムの理解がほぼ正しくて部分的な誤りがなければ、その目的は仮にでも明らかになるのではないかと思う。
植物の生き残りの為の知恵は、緻密な合理性をともなって発現するのであり、無駄の入る隙はないからである。
 
 
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まず、落葉樹がなぜ落葉するのかについて。
 
葉は光合成でエネルギーを生み出して枝や幹に送る。しかし同時に、呼吸もするのでエネルギーの消費もすることになる。

秋になり気温が下がると、あまり光合成をできなくなる。
すると生み出すエネルギーより、消費するエネルギーの方がだんだん多くなってしまう。
そこでエネルギーを節約するために落葉する。
 
 
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また気温が下がって土壌が凍結すると、根から水を吸収できなくなる。
しかし、葉は蒸散によって水分を放出する。
結果として、植物全体が乾燥してしまう。
そこで乾燥を防ぐために、落葉する。いわばリストラと同じ状態だ。
 
落葉の準備が始まると、枝と葉の間に「離層」が形成される。これは葉が落ちる前に葉柄に生じる特殊な細胞層のことで、葉が落ちた後に茎を保護するコルク組織である。
この離層が形成されると、栄養物質の移動が妨げられるようになる。
  
 
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次に、なぜ紅葉するのかについて。
 
これは、葉から主に窒素等の栄養成分を回収するためである。
窒素は緑色の葉緑体・クロロフィルに含まれている。
そこで落葉する前にクロロフィルを分解し、窒素を回収・再利用する。
この時、離層があっても体内を移動しやすくするために、窒素とタンパク質はアミノ酸に分解され、またデンプンはブドウ糖に変えられる。
そして貴重なミネラル類(リン、カリウムなど)の多くはイオンの形で、まだ機能が残っている維管束を通して茎、根などへ運ばれ貯蔵される。
 
クロロフィルは分解されるが、アントシアニン(赤い色素)やカロテノイド(黄色い色素)は窒素が含まれないので残る。
緑色がなくなることで、赤色や黄色が目立って見えてくるわけである。
 
 
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紅葉し始めた落葉樹の葉は、クロロフィルの回収を始めるとともに光合成ができなくなる。
その理由は、アントシアニンが赤くなるのは主に日光の当たる側の表面であり、
葉肉細胞の日照を和らげる遮光色素としての働きももっている。
この色素により葉肉細胞を擬似的な日陰状態にして、光合成の効率を下げている。
 
こうして光合成ができなくなった葉緑体(クロロフィル)は分解がさらに促進される。 
従って、きれいな紅葉を見せる樹木ほど資源回収が十分に行われ、落葉する事になるのである。
ちなみに黄色は赤色に準じた遮光効果がある。
 
 
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それでは、春と夏にはアントシアニンの赤い色素の合成が起こらないのに、なぜ秋にだけ赤くなるのかという疑問が出てくるかもしれない。
 
それは、葉と茎の間の物質の移動が妨げられることがスイッチになっているからだ。
事故などで枝や葉が折れたり切れたりつぶれたところで物質の移動が妨げられると、その先の方ではアントシアニンが作られる仕組みになっていて、秋でなくても紅葉のように赤くなる。
秋の落葉の準備の時に形成される離層は、これと同じ働きをするので赤く色づくのである。
 
 
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また、落葉樹の中には、紅葉するものと、緑のまま落葉するものとに分けられる。
この違いを店の食品販売戦略に喩えてみよう。
 
紅葉する葉は、赤みが増すにつれて光合成ができなくなっていく。
これはスーパーで賞味期限切れが近くなった食品が安売りされるのに似ている。
一個当たりの利益は少なくなるが販売数を伸ばすことで費用(窒素)をより多く回収できる。
 
一方で、紅葉しない葉は落葉する直前まで光合成ができる。
これは窒素回収エネルギーよりも余分のエネルギーを得る戦略を採用しているのである。
コンビニで賞味期限切れが近くなってもギリギリまで値引きせずに売り、その後は廃棄するのと同じだ。
売上げ数は伸びなくても、それを24時間営業でカバーする。 
 
 
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秋に、急で強い冷え込みがなかった年には、葉がそれほど鮮やかに色づかないことがある。
これは、急いで落葉の準備をする必要がないので、紅葉のメカニズムが緩やかに進行する為である。  
 
結論としては、紅葉は、葉のエネルギーを効率よく回収しながら落葉の準備を促進するための戦略ということになる。
 
 
 
 
 

 
 
 

赤い木の実 ミニ図鑑

 
 

秋も深まり、赤い木の実があちこちで目立つようになってきた。
自分の行動範囲の中でどれくらいの種類があるか調べてみた。

まずは以前紹介したコブシの実から。
地面に落ちていたものを拾って中の種を出してみた。
 

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実の大きさの割には大きな種が入っていた。
鳥に運んでもらうためだけの少しの果肉がある感じだった。
  

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イチイの木。北東北と北海道の方言では、オンコの木とも呼ぶ。
実は柔らかくて食べやすかった記憶があるが、子供の頃なので味は憶えていない。
  

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これはウメモドキの実。
ウメの仲間ではなく、モチノキの仲間。
葉の形や枝振りがウメに似ているので「ウメモドキ」の名前がついた。
赤い実は小鳥が好んでついばむという。
 

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ガマズミの実。
初冬には、甘くなり食べられるという。
といっても、これもコブシの実のように果肉は薄く種子が大きい。
 

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サンシュの実。
成熟した果実を熱湯に通して半乾きにしてから果実を抑えて種子を抜き出し、
果肉だけにしてから日干しにする。
これを生薬で、山茱萸(さんしゅゆ)という。
一般的には果実酒にする。
  

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セイヨウサンザシの実。
血流をよくする作用があり、心疾患などの生活習慣病の予防に効果があるとされている。
ヨーロッパでは1900年代後半には強心薬になるということが発見されていた。
 

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ナナカマドの実。
赤い実をたわわに付け、雪を乗せると色の対比が美しく、北海道では競って街路樹として利用されている。
果肉は苦いだけで食べられないという。
 

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ニシキギの実。
紅葉が見事なのでモミジ、スズランノキと共に世界三大紅葉樹に数えられる。
まだ紅葉になっていなかったのは残念。
 

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ノイバラの実。
枝にトゲがあったので判別できた。
『万葉集』に宇万良(うまら)という名で、野性のノイバラと思われる植物が詠まれている。
 

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ベニシタンの実。
ここは公園なので地植えしているが、盆栽用として販売されるのが一般的なようだ。
一年中観賞できるからだろう。
 

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マユミの実。
漢字で「真弓」と書く。昔、弓の材料として用いられたことに由来する。
雌雄異株で、雄樹と雌樹があるため、マユミと分かっても実がついていない木がある。
 

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最後は木ではなく、草になる。
マムシグサの実。
サトイモ科で、縄文人は地下の芋(球茎または塊茎)の部分を食べていた。
赤い実には毒があるので食べられない。
  

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追記: ハナミズキの実。
もう一つ見つけたので追加。この実は毒はないが苦くて不味いという。
そのせいか鳥もあまり好まないので集まらないらしい。
 
 
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キイロスズメバチの巣


珍しい被写体を見つけた時は撮りたくなるのは自然なことだが、
それが場合によっては命を落としかねない危険な撮影になることもある。
もちろん今回はリスクを承知の上で撮っている。 

 
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周りに民家のない山間の道路脇に一軒の家が建っていて、
その軒下にキイロスズメバチの大きな巣がぶら下がっていた。
軒天の幅が45センチだとすると、この巣がどれくらい大きいか分かるだろう。
家には人が住んでいる気配なく、別荘なのかもしれない。
 
 
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日本には、スズメバチ属(7種)、クロスズメバチ属(5種)、ホオナガスズメバチ属(4種)の合計3属16種が生息している。
中でもスズメバチ属のオオスズメバチとキイロスズメバチによる人身事故が最も多く発生しているという。
9月中旬~10月中旬にかけて交尾の時期を迎え攻撃的になるので、ちょうど今が危険な時期と重なる。
 
 
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スズメバチ類の刺傷事故では、このキイロスズメバチによるものが最も多い。
つまり、このキイロスズメバチはオオスズメバチを抜いて、日本で最も危険なハチだということになる。
もし撮影中に集団で襲ってきたら、死亡する可能性が高い。
万が一の時は猛ダッシュで逃げるつもりだったので不安はなかった。
  
 
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この建物のオーナーが帰ってきたらさぞ驚くだろうと思いながらこの場を後にした。
 
 
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顔写真

 
 

「顔写真」は、物件を人の顔に見立てたもので、戯画的な指向性を持っている。
見たい人、見える人だけの楽しみであり、特権かもしれない。
 
  

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ミニ・ベタ踏み坂

 
 

島根県と鳥取県を結ぶ江島大橋は、ダイハツ・タントのCMで有名な「ベタ踏み坂」と呼ばれている。
これはいちごさんがブログで紹介している記事にも登場する。
青森県八戸市の八戸大橋は、これと高さで15m、長さで100m程度しか差がない。
それなら同じように見えるかもしれないということで、橋の袂近くから望遠で撮ってみた。

惜しいことに、橋げたが真っ直ぐでなく途中から大きくカーブしているために、頂上まで見渡せなかった。
これがなかったらいい勝負になったかもしれない、と負け惜しみを言っておこう。

 

橋の南側 

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北側 

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傍の道路と比べると、それなりに勾配はある。

  

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